Leadership:リーダーシップ
平 準司
皆さんは「リーダーシップ」っていう言葉をご存知ですよね。
僕達がやっているカウンセリングやセラピーの中にも専門用語として「リーダーシップ」というものがあります。
みなさんは、リーダーシップと言うとどんな事をイメージしますか?
「俺について来い」タイプの男性でしょうか? それともワンマン社長のようなタイプでしょうか? 人をぐいぐいと引っ張って、率先して行動するような人でしょうか?
僕は、例え話でこういう話しをよくします。
あなたが友達と5人くらいで山に登っていると思ってください。あなたはとっても山が好きで登山もよくします。でも、他の友達は全然した事がなくて、どちらかというと「おまえが言うんやから、しゃーないからついてきたんや」というような気持ちで山登りをしているとします。だから、登山がどんなものかまったく知りません。
そして、山の中腹ぐらいまで来ると友達は「疲れた」とか「もうあかん。帰ろうや」とか言い出しました。でも、皆さんは友達にも、山頂から見渡せる素晴らしい風景や、新鮮な空気、登頂した達成感などを味わって欲しいんです。
こんな時は、皆さんどうしますか?
友達を助けて荷物を持ってあげたり、引っ張って一緒に山頂に上ろうとしますか?
これもいいかもしれませんが、自分も途中で力尽きるかもしれません。
これは、日本人の特徴でもありますが「俺も我慢してるから、おまえも我慢して頑張れ」っていうのがすごく多いです。
仕事をしている方、こんな経験はありませんか?
最近部下は仕事の量が多くて、毎晩家に帰るのは午前様。上司はそんな部下を見て、心配になり「ちょっと、一杯行こうか」と誘います。で、酒の席で話すのは
「俺もな、おまえくらいの時は、仕事も多くてしんどかった。でもな、我慢してここまでやってきたんや」
「ま、今日は飲め飲め」
「これはな、サラリーマンがみんな通る道や。だから、おまえも我慢して頑張れ。こうやって一人前のサラリーマンになるんや」
っていう会話が多いですよね。
でも、これでやる気が出ますか? 我慢して我慢して、しまいには燃え尽きてしまいます。
部下には希望がないんです。「いくら頑張ってやっても仕事は終わらない」と絶望しています。そしてあきらめています。
山登りでもそうです。友達は「とてもじゃないけど、山頂までは登れない」とあきらめています。こんな感じではやる気は出ませんよね。だから前に進もうとしません。
でも、もしここで、あなたが一人で先に山頂まで登ってしまったらどうなるでしょうか?
あなたが山頂に上って「うわー。すっごいいい景色だ。なんて眺めが良いんだ。ふー、空気も新鮮だし、とっても気持ちがいい」って言ったらどうなるでしょうか。
それを下で見ている友達は、「なんか知らんけど、あいつすごく楽しそうで、気持ちよさそうやな。あいつもいけたんやな。ほんだら、俺らも行けるかもせーへんで。ちょっと頑張って登ろうか」っていう気持ちになると思いませんか?
そして、あなたはどの道を歩めば山頂にたどり着けるのか友達に教えてあげる事もできるんです。
あなたが、友達と一緒に踏みとどまるのではなくて、先に進むのです。
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