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 ー傲慢親父は淋しがりやー

こんにちは。中野知枝です。
今回は私の仕事をしていた時の話を書きます。
前の仕事は大手の会社内の喫茶の責任者(こんなんでも!?)をしていまして、そこには沢山の「おじさん」が集まって来ていました。
「おじさん」というのは、その会社で仕事している人達で、しかも部長・課長クラスの人が多かったんですね。大手の会社だったので、沢山の「おじさん」がいたものです。

最初の印象は良かったんですが、次第に彼らは本性を現しだしました。(笑)
「ここはなんでセルフになってるんや。席まで持ってきてくれよ。」
「ここのコーヒーはまずい。安い豆使ってるんやろ。」
「なんや、これだけしかいれんのか。大盛りにしてな。」(コーヒー一杯150円で大盛りはないやろ!)
・・・なんて言い方をするのでしょう。

私は昔から「傲慢親父」というのが嫌いです。不思議です。嫌なもの吸い寄せる、というのは本当の話ですね。(笑) なぜか昔から私はそういう親父に好かれるタイプだったようです。

それから、私は対応が変わっていくのが自分でもわかりました。
「嫌なものは嫌。だから冷たくしても当然だ。」
接客業とはいえ、私は人にやさしく対応するのが嫌だったんです。横暴な態度を取られてまで、親切に出来るタイプではなかったんです。

次第に「おじさん達」は私に対して「チーフはいつも冷たいなぁ。優しくないなあ。」と、愚痴をこぼすようになりました。自分の言う通りに動いてくれないからでしょうか。
それとも優しい言葉をかけて欲しかったのでしょうか。
そのたびに私は「なんでこんなに甘えてくるんだ!」と(心の中で)怒っていたんですね。 そんな風に言うくらいなら、初めから普通にしていればいいのに・・と。

そして一緒に働いているパートの叔母ちゃん達にも言われる毎日でした。
「もっと優しくしてあげたらいいのに・・・」と。でも、どうしても出来ないんですよね。
自分でも「なんとかしたい!」とは思っているけれど、何か納得いかないような感じだし、「優しくしたらおじさんに負けるじゃん!」というのが私の心情だったんですよね。

心理学を学ぶにつれて、自分の心の中にあるものが次第に見えてきていました。
抱えていた問題が父親にある、という事。
私の父親は、権威のある人で、家族というより「殿様」タイプでした。
頑固者で、子供の言い分なんて、聞く耳を持っていない感じの父だったんです。そういう父親が許せなかった、というのがかなり影響して、男の人(特に年配の方)に厳しい判定を下していた事が理解できました。

そして、自分が強気になって応対してしまう理由は、ほんとは私は 弱い奴で、それを悟られてしまったら、逆にやられてしまうんではないか、と。
よくありますよね。弱い自分を見せてしまう事は情けない事だ、とか考えてしまう事が。
自尊心やプライド、とも似ています。
でも、それは傷つく自分を見たくなかったからなんですよね。
そうしないと、生きていけないような感じだったんです。

そうやって自分の心の中が見えるようになってくると、自分の意識が変わっていきました。

ある時、いつものように「おじさん」が来て言いました。
「よ!いつもの大盛りくれ!」
「はーい。大盛りね~。」
私の口から普段と違う言葉が出てきていました。すると「おじさん」は
「そうそう、そうやってくれたら嬉しいんだよね~。」と。
「おじさん」達の気持ちが見えた気がしました。
そうです。ただ、愚痴りたかっただけなんですね。
「この人達も仕事で疲れているんだ。だからああゆう態度しかできないんだな・・・。」と。
そう思い始めると、『「おじさん」というのは大変なんだな』とおおらかになれてきたんです。

いつもと同じ傲慢な「おじさん」なんですが、なぜか私は自分が優しくなっているのが解りました。それも、自分の父親を許せたおかげなんでしょう。
「おじさん」達に私の気持ちが伝わったのでしょうか。向こうもいつのまにか私に接する言葉や態度も変化して、「いい関係」を持てるようになっていったんです。
嫌なタイプの「おじさん」と上手くやれる方法が、私に出来るようになりました。

仕事内での愚痴や辛さは沢山あります。誰かのせいにしたり、自分を責めてみたり。
でも、それを解決するカギは、自分の心の中にあるんです。
一人ではなかなか自分の心を見る事ができませんよね。一つの目しかないから見えないし、 逆に『自分の事は自分がよく知っているんだ』と思いがちになります。
でも、そうじゃないんです。二つの目があってこそ、初めて距離がわかるのと同じなんです。
そのもう一つの目として、カウンセリングを利用して、『自分発見』をして頂きたいと思います。


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