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相互依存 PartI~パートナーシップを阻むもの~
◆自分のやり方を手放す~自分1人のやり方から2人のやり方へ~◆

平 準司

前回は自立のお話でしたが、今回はその次のステージ"相互依存"のお話をします。

私達には"私のやり方"というのがあります。『男性のやり方』、『女性のやり方』があります。
そして私たちは自立して行くとこう思います。
『どちらのやり方が正しいか』
こういうけんかをするんです。

カップルがいると、2人がどちらのやり方をするのかという事でけんかをします。
もしかりに、惚れた弱みで100%彼のやり方に従っているとします。すると、彼にとっては彼のやり方が常識で当たり前ですが、女性の皆さんにとっては非常識な事も一杯あります。でも言えない。我慢します。
そこでは、女性の方はすごく屈辱感を味わいます。なぜなら男性が自立していて女性が依存している形になるからです。すごくたくさんの感情を感じます。愛されているとも感じますが、痛みもたくさん感じます。でも、いつも”彼の奴隷”になっている感じがします。だから、ある時に大きな反発が起こります。

普通はこんなに極端ではありません。男性が60%、女性が40%ぐらいの割合でお互い妥協します。女性は60%分の不満を男性に持っています。男性は40%分の不満を女性に持っています。五分五分でやっても同じです。このやり方は正しくないんです。

なぜなら、
『どちらの方法でで生きていくか』
というのは皆さんが1人で生きてきたやり方だからです。2人でパートナーシップを取る事が必要なのです。しかし、パートナーシップを取り、愛と信頼を手に入れる時には”疑い”が何層にも、何層にもわたって出てきます。
『本当に愛してる? 愛してる? 愛してる?』
と聞くのと同じくらい
『そんなはずはないだろう』
という様な疑いが何層にもわたって出てきます。

ここで大事な事は両方のやり方が実は間違っているという事です。2人のためのまったく新しいやり方を確立するのが答えになります。2個1が必要です。まったく新しい関係を創っていかないと、このやり方は自立的な生き方だったので、カップルとしての生き方には何の役にも立ちません。

◆執着~変化への恐れ~◆

でも、いざここで私たちが2人の関係を作ろうとしたと時、今までかかってせっかく創り上げたやり方に執着します。なぜかというと私たちは変化が恐いからです。リスクが恐いからです。自分が変わるという事にすごく不安を持ちます。よく私たちは
『このやり方は良くないかもしれない。でも生き残れるじゃないか。新しいやり方をしたらもっと幸せになれるかもしれないよ。でも死んでしまうかもしれないよ。この関係が壊れてしまうかもしれないよ』
と怖がります。だから今のやり方にしがみつきます。それは人間である限り誰もがそう思います。

だからここでは、本当にやり方とやり方の戦いになります。ここから抜けるのはすごく難しい。

例えば、離婚のセラピーなんかをやると、奥さんとご主人がいて、第1ラウンドはお互いが罵り合います。

『け、あんた最低の亭主や!!』
『何言うてんねん、おまえこそ最低の女じゃ!! 朝飯も作らんと、いつも寝てるやないか』
『何言うてんの、あんたこそ……』

と、いかに相手が最低で、いかに相手に傷つけられたかというのが第1ラウンドなんです。
第2ラウンドに入ると

『それでも私は頑張ったのよ。子供も一生懸命育ててるし』
『俺も日曜日は育ててるじゃないか!!』
『あなたは日曜日だけじゃない。主婦の仕事にね、土日週休2日はないのよ!!』
という様なけんかになります。

ご主人はご主人で、
『俺も飲み歩いてるけれども、家にちゃんと給料入れてるやろう!! あそこは200,000もらってるけど、俺は214,485円入れてるやろう』
というようなけんかになります。

◆けんかの力学◆

離婚寸前のカップルをカウンセリングすると、上記の様な事が頻繁に起こります。
そしてそれが延々と続いて行って、私は分からなくなるんです。そこで尋ねてみます。
『ちょっと質問してもいいですか。奥さん、1ラウンド目にあなたの主人は最低の男だと言ってくれましたよね。いかに最低かというのは聞かせて頂いて、よく分かりました』
『旦那さん、あなたの奥さんは最低の奥さんだといいましたよね。お聞きして、よく分かりました』
『でもわからないところがあるんです。どうして旦那さんも、奥さんも、そんな最低な旦那や妻のために、そんなにも頑張ったんですか?

すると両方とも、
『そんな事聞かれても……、あのー、そのー』
と答えることができません。

彼らの中には、話を始めていくとお互いにいろいろな感情を持っていて、それが出てきます。そしてこういうふうな所に行き着きます。

『お前はなー、何も分かってへんねん』
『何言ってるのよ、あなたこそ何も分かってないのよ』
というけんかになるんです。
『一体何が分かってないんですか?』
とどんどん、どんどん突っ込んでいくと、最後にはこういう所に行きます。

『お前はな、何も分かってへんねや。俺がどれだけお前の事を愛しているのか』
『あんたも何も分かってないわよ、私がどれだけあなたの事を愛しているのか』

すべてのけんかはここに行き着きます。皆さんのご両親とのけんかもここに行きつくでしょう。ご両親がなぜ皆さんにがみがみ、がみがみ言うのか? みなさんがなぜ両親がうるさく言うのに、一緒に家にいたりするのか? ここに行き着くんです。面白いと思いませんか?

なぜ愛し合っている者同士がけんかしなければいけないのか。でも、愛しているからけんかをするのです。どうでもいい人はどうでもいいと思いませんか? けんかがあるという事はその人には愛があるという事です。そしてその下には痛みがあります。それは相手に愛してもらいと思っている、でも
『愛して欲しい』
と言えない部分があるのです。”こうして欲しい”と言えない所からこの部分は来ています。そして一生懸命やってきたのです。”愛して欲しい”と言えないために。でも、相手が気づかなかったから怒り始めたのです。

でも、私たちはとっても大事な事を言っていません。
『愛して欲しい』
とどれくらい長い間言っていませんか? そしてそれを言うために、本当にけんかを始めました。それが私たちのけんかの力学です。


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