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質問セクハラ後遺症
今から2年くらい前、会社の上司からセクハラ被害に遭いました。

その時は社会人になって間もない時で、私は、会社の人はみんな仕事を教えてくれる親切な人ばかりだと、思い込んでいたのです。
そして、配属の課から、当時やりたいと思っていた他課の実務研修に行った時、その上司の下で仕事をしました。
その上司は、研修が終わり自分の課に戻った後でも、休日、たびたびその課の仕事を手伝わせてくれたのです。

最初は、親切に仕事を教えてくれる、兄のような人だと慕っていました。
しかし徐々に、その手伝いの時に、何度か、髪をなでられたり、背後からいきなり肩や背中をなでられたり、肩をだきよせられたり等々をされるようになったのです。

私は、信頼が裏切られたような気持ちになりながらも、「ここで波風をたてると行きたい課に行けない」と思い、嫌でしたがその時は我慢して、他の人と同じように接していました。

そのセクハラ行為は半年くらい続きましたが、その上司が本社に転勤になり、わたしもその半年後には他の支社に異動になり、「もうあの上司には会わないのだから大丈夫」と自分に言い聞かせて、立ち直ったのです。
しかし、半年ほど前、本社から業務指導のため私がいる支社にその上司が派遣されてきて、よりによって私も上司と同じプロジェクトで勤務することになったのです。

プロジェクトで一緒になった当初は、セクハラ行為こそしないものの、上司は親しげに私に話しかけてきたりしましたが、私はその上司を徹底して避け、次第にその上司もあまり私に関わらなくなってきました。
しかし、プロジェクトに入ってから何事にもやる気がおきなくなり、背後を異常に気にするようになり、半年後にはとうとう別の上司に過去のセクハラ被害について相談し、結果として、セクハラをしてきた上司は会社を依願退職しました。

ですが、頭では「もうあの上司はいない」とわかっていても、どうしようもなく男性に対して恐怖を感じるのです。
男の人に背後に立たれるのは苦手で、不意をつかれたときなどは、1時間は車の運転すらできなくなってしまいます。
また、セクハラをしてきた上司を彷彿とさせるような、「独身の男性の上司」とはほとんど話せなくなってしまいました。

二人で部屋にいることすら怖く、仕事に支障をきたしています。
いったい私は今後どうしたらいいのでしょうか。
悩めば悩むほど、眠れなくなったり、胃が痛くなったり(もともと慢性胃炎なのです)、朝会社にいきたくなくなったりしてしまいます。
あさかさん

回答 カウンセラー: 山下ちなみ(退会)
あさかさん

山下ちなみです。
ご相談、ありがとうございます。
とっても勇気を出されたのでしょうね。

あさかさんと同じような経験をされている方、たくさんいらっしゃると思うんです。
でも、どこにも相談できずに、ひとりで抱えていらっしゃる方も。
そんなときに、こうしたあさかさんのような相談事例を見て、「同じようなひとがいる」と思うだけで、きっと、少しだけほっとすると思うんですね。
だから、Q&Aに相談してくださったこと、ありがとうございます。

本題に入りますね。
セクシャルハラスメントの後遺症で、お仕事などにいろいろと支障をきたしてしまっているのですね。
今後、差し障りなく仕事をしていきたい、とらわれたくない、というお気持ちから、今回は相談してくださったのですよね。

例えば、夜道を歩く恐怖、というのは、男性と女性では全く質が異なるといいます。
女性の場合、生命の危険以上に、セクシャルハラスメントは恐怖体験なんですよね。
その「怖い」という気持ちでいっぱいいっぱいになってしまうと、車の運転ができなくなってしまったりすることもありますよね。

今は、ご自分の気持ち、例えば恐怖や不安で、コップの水がいっぱいのようです。
そうすると、ちょっとしたきっかけで、すぐにあふれてしまいます。
そして、あふれそうなものを押しとどめるので精一杯になってしまいます。

まずは、ご自分の気持ちを出せる場所を持つことをお勧めしたいです。
コップの水を出す……このときの怖かった、つらかった、という気持ちを誰か信頼できるひとに、理解してもらい、一緒に受け入れてもらいましょう。
知っているひとに相談しにくいのであれば、カウンセリングでもいいと思います。
たくさんの思いを抱えてきたのですから。
それを出させてあげましょう。

そうして、苦しいものを少しだけ楽にできたら、いろんなことを見つめるゆとりが出てきます。
次のステップは、それからでも遅くはありません。
自分の気持ちをケアして、コップに水の入るゆとりができてから、次のことを見ていきましょうね。


次のステップでは、このとき感じられた心理、「いいなりにならないといけない気がする」「自分が汚れた感じがする」など、さまざまな思いを解析して見ていくことになりますが、ここではあさかさんの、
『「ここで波風を立てると行きたい課に行けない」と思い、嫌だが我慢した。』
という文章にならって、「我慢」というところにポイントを絞りたいと思います。

つまり、あさかさんの中で、もし、また同じようなことが起きたとき、「次も我慢しなくてはならないのではないか」という気持ちがあるのではないかと思います。
よく、「我慢しなくてもいいんだよ」と言いますが、そのことは頭で分かっていて
も、辞めることができないひとはたくさんいます。
そのうち、マヒしてしまって、我慢していることすらわかっていない人も。
我慢以外の方法が見つからないのですね。
我慢するしかない、私さえ我慢すれば、という感じです。

ここで、目線を少し変えてみましょう。
我慢には必ず、理由があるんですね。
この場合、「会社で行きたい課に行きたい。だから穏便に人間関係もスムーズにやっていきたい」という気持ちが大きかったのではないでしょうか。
そのためには、セクハラを我慢しなくては、といったように、そのことと、セクハラを我慢することがセットだったように思います。
でも、考えてみたら、我慢をしなくても、「会社で行きたい課に行けて、人間関係もスムーズに楽しくできる」ということができたら、いいわけですよね。
つまり、本当に欲しいものは「行きたい課に行って、楽しく働く」なのですから、これが手にはいれば、我慢する必要はなくなるので、自然と我慢をやめられる、ということになります。


「行きたい課に行って、楽しく仕事をするためには、(我慢する意外に)どんな方法があるだろう」
こんな風に考えてみてくださいね。

「こうしたい」「こうありたい」、あさかさんの中で、どんな自分になりたいでしょうか。
そんなとき、自分はどんなふうに、周りのひとと関わっているだろう。
どんな顔をしているだろう。

ゆっくりと、想像してみてください。
楽しんでするくらいで、ちょうどいいのです。
何かに書き留めたり、誰かに話を聴いてもらいながら、考えてもいいかもしれません。


そして、こんな風に、未来を見てみてくださいね。
もし、こうなりたいという明確な意思があったら。
行きたい課に行けたら。
そこで、なりたい自分になれたら。
自分が楽しく過ごせたら。
周りがみんな自分の味方だったとしたら。
みんなを信頼できたら。
自分を信頼できたら。
嫌なことをされたときに、今よりもずっとNOが言いやすくなると思うんです。
これは、今のこの苦しい感情を取り除く、強力なツールになります。
なぜなら、NOを言いにくい環境、言えない状況、というのは、「相手次第」になってしまうからなんです。

「どうか、何もしてきませんように」
と願うより、
「何かあったとしても、私は対処できるんだ」
と思えたら、その分、恐怖は和らぐと思いませんか。
そして、そんな自分に自信がついているのを感じられると思うのです。

どうか、勇気を持って、あさかさんの素敵な未来を見てくださいね。
あなたの未来に、必ず、よいものが待っているということ。
自信とは、心の中で、肯定的な結果を知っていることなんです。
嫌なことを我慢するよりも、ずっといいやり方があるはずだと信じられること。
自分自身を信じ、状況を信じ、目には見えない何かを信頼するということです。
そのことが、あさかさんにとって、「信頼」を取り戻すことに繋がっていくと思います。

今は、とっても苦しいかもしれません。
その苦しさのあまり、早く進みたいと思われると思います。
が、恐怖が強く全面に出てくると、かえって進みにくくなることもあります。
あさかさんにとって、楽に呼吸をするようなやり方で、少しずつプロセスを進んでいってくださいね。
大丈夫です。
たった一歩でも進むことができたら、格段に世界が変わりますから。
あさかさんが、イキイキと仕事をして、楽しく過ごせる日が来ることを、私は信じています。

ご相談、ありがとうこざいました。


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